ハーフな俺。前編(完結)

「そんなことないっ!ただ捨てられたなんて、
絶対そんなことないっ!」

そう強く言う私に、

「お前には分かんねぇだろ。お前の事思ってくれる両親がいて、幸せな家庭で育って、

実の家族に嫌われる気持ちなんか、お前に分かるわけねぇだろ。」


そう言われて、言い返したい思いをグッと呑み込んで、

「もし会いに行くって決めたら、私が
ルイの側で一緒にいるから。

独りにしたりしないから。」

そう言って、ベンチから立ち上がり、更衣室へ
向かった私。
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