夜空に見るは灰色の瞳
「あっ、でもこの間の休みに、主任が男の人と歩いてるのを見たって言ってる同期がいるんですよ。主任の顔を見間違えるわけがないから、あれは絶対本人だって。相手の人の方は、顔がよく見えなかったそうなんですけど……主任って、兄弟とかいましたっけ?」
「……さあ?そういうプライベートなことは全然知らないから」
もっと言うと興味もないのだが、どうやら三永ちゃんは違うらしい。
少女漫画を愛読しているだけあってその手の話がお好きなようで、目が興奮気味に輝いている。
「気になりますよね、誰なんでしょう。あの主任と、休みの日に一緒に出掛ける男性……。仮にそれが兄弟だったとしても、あの主任が休みの日に兄弟と仲良く歩いてるってところが最早ニュースですよ!」
兄弟仲が良かったくらいでそんなに騒ぎ立てることもないのではないかと思うのだが、陰では鬼のようだと恐れられている主任が、休みの日に連れ立って歩くほど兄弟と仲が良いというのは、三永ちゃん的にはニュースなのだろうか。
楽しそうな三永ちゃんには申し訳ないが、私はやはり興味が湧かないので、黙々と洗い終えたコップを拭いてしまっていく。
「……さあ?そういうプライベートなことは全然知らないから」
もっと言うと興味もないのだが、どうやら三永ちゃんは違うらしい。
少女漫画を愛読しているだけあってその手の話がお好きなようで、目が興奮気味に輝いている。
「気になりますよね、誰なんでしょう。あの主任と、休みの日に一緒に出掛ける男性……。仮にそれが兄弟だったとしても、あの主任が休みの日に兄弟と仲良く歩いてるってところが最早ニュースですよ!」
兄弟仲が良かったくらいでそんなに騒ぎ立てることもないのではないかと思うのだが、陰では鬼のようだと恐れられている主任が、休みの日に連れ立って歩くほど兄弟と仲が良いというのは、三永ちゃん的にはニュースなのだろうか。
楽しそうな三永ちゃんには申し訳ないが、私はやはり興味が湧かないので、黙々と洗い終えたコップを拭いてしまっていく。