夜空に見るは灰色の瞳
「じゃあお言葉に甘えて。ほら叶井、そっち詰めろ」


その隙に、大路くんはほとんど無理やり私を奥の席に押しやって、自分は先ほどまで私が座っていた位置、三永ちゃんの向かい側に納まった。

そして大路くんは、水とおしぼりを持って来た店員さんに、メニューを見ることもなく親子丼を注文する。


「悪いね、急に入れてもらっちゃって」

「いえいえ、お気になさらず」

「……ちょっと大路くん、私にはないわけ」

「だってお前、ちょっと渋っただろ」

「渋る前に大路くんが無理やり入ってきたんでしょ!」


それに対する謝罪というか、私にも何かあって然るべきだろう。


「叶井さんと大路さんって、確か同期でしたっけ。随分と仲が良いんですね。昔からですか?」

「何を言っているの、三永ちゃん。これのどこが仲良く見える?」

「まあ、昔からよく話はしてたよな。昼飯もよく一緒に食べたし」

「大路くんも何言ってるの」
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