夜空に見るは灰色の瞳
確かにお昼ご飯を一緒に食べることはあったけれど、それは別に約束して一緒に食べていたわけではなくて、社内の食堂で食べていたら大路くんが来て、なぜか同じテーブルに座ったというだけの話だ。
他のテーブルが空いている時だって、彼はなぜか私を見つけると同じテーブルにやって来たし、私が友人と食べている時も、大路くんが友人と一緒の時もそうだった。
それが理由で、あの大路くんと仲が良いなんて羨ましい!と、当時はかなり羨ましがられた覚えがある。
そのおかげで、バレンタインに代わりにチョコレートを渡して欲しいと頼まれたり、合コンに来てくれるよう頼んでくれと拝まれたり、まあ色々、弊害はあった。
女って怖いな……と思わせられるようなことも、まあ本当に色々と――。
「それは充分仲が良いじゃないですか、叶井さん」
「いや、違うの三永ちゃん。騙されちゃダメだから」
「叶井のそういうのってさ、ツンデレって言うんだっけ?」
「私がいつデレた!」
大路くんの登場で三永ちゃんの声のボリュームが元に戻り、視線を集めることもなくなったかと思ったら、今度は私の声が大きくなった。これは、完全に大路くんのせいだ。
他のテーブルが空いている時だって、彼はなぜか私を見つけると同じテーブルにやって来たし、私が友人と食べている時も、大路くんが友人と一緒の時もそうだった。
それが理由で、あの大路くんと仲が良いなんて羨ましい!と、当時はかなり羨ましがられた覚えがある。
そのおかげで、バレンタインに代わりにチョコレートを渡して欲しいと頼まれたり、合コンに来てくれるよう頼んでくれと拝まれたり、まあ色々、弊害はあった。
女って怖いな……と思わせられるようなことも、まあ本当に色々と――。
「それは充分仲が良いじゃないですか、叶井さん」
「いや、違うの三永ちゃん。騙されちゃダメだから」
「叶井のそういうのってさ、ツンデレって言うんだっけ?」
「私がいつデレた!」
大路くんの登場で三永ちゃんの声のボリュームが元に戻り、視線を集めることもなくなったかと思ったら、今度は私の声が大きくなった。これは、完全に大路くんのせいだ。