夜空に見るは灰色の瞳
しばらく考えてみたが、答えと思われるものは一向に思い当たらない。
気になりはするが、仕方がないので今日のところは答え探しを諦めた。
帰るだけの気力が回復しただけで、難しいことを延々と考えていられるほどに回復したわけではない。考え事をするには、今日は疲れ過ぎている。
「そういえば、わざわざ私を探しに来たのって、いつもの“何かして欲しいことはありませんかー”のため?」
「もちろんですよ。あっ、何かありますか?」
「まあ強いて言うなら、今すぐ家に帰り着きたい」
「瞬間移動ですか……国境を超えることと、立ち入り禁止となっている場所に入ること以外は許可されていますが、自分以外を移動させたことはまだないんですよね」
そう言って、男は顎に手を当てて考え込む。
これは危険な香りがしてきたので、今すぐ取り消そうと思ったところで
「でもまあ、やってみないとわかりませんしね、何事も。失敗すると決まったわけではありませんし。仮に失敗したところで、死ぬわけではありませんので安心してください!」
「……いや、全然安心出来ないから。とりあえずさっきの発言はなかったことに」
「まあまあそう言わず、任せてください!自分を移動させることは出来るんですから、自分以外を移動させることだって出来るはずです。やることは同じなんですし」
「……でも、やったことないんでしょ?」
「ないですね」
任せられるわけがない。
気になりはするが、仕方がないので今日のところは答え探しを諦めた。
帰るだけの気力が回復しただけで、難しいことを延々と考えていられるほどに回復したわけではない。考え事をするには、今日は疲れ過ぎている。
「そういえば、わざわざ私を探しに来たのって、いつもの“何かして欲しいことはありませんかー”のため?」
「もちろんですよ。あっ、何かありますか?」
「まあ強いて言うなら、今すぐ家に帰り着きたい」
「瞬間移動ですか……国境を超えることと、立ち入り禁止となっている場所に入ること以外は許可されていますが、自分以外を移動させたことはまだないんですよね」
そう言って、男は顎に手を当てて考え込む。
これは危険な香りがしてきたので、今すぐ取り消そうと思ったところで
「でもまあ、やってみないとわかりませんしね、何事も。失敗すると決まったわけではありませんし。仮に失敗したところで、死ぬわけではありませんので安心してください!」
「……いや、全然安心出来ないから。とりあえずさっきの発言はなかったことに」
「まあまあそう言わず、任せてください!自分を移動させることは出来るんですから、自分以外を移動させることだって出来るはずです。やることは同じなんですし」
「……でも、やったことないんでしょ?」
「ないですね」
任せられるわけがない。