夜空に見るは灰色の瞳
「お前は、それで納得してるのか？」

「納得してるもなにも、本人が体調不良だって言ってるんだからそうなんでしょ。それとも大路くんは、あの主任が仮病を使って休んだとでも？」

「いや、あの人に限ってそれはないと思うが。……ただの体調不良ってのもどうにも納得がいかない」

「……じゃあ何だって言うのよ」

「さあな」

「さあなって……」


何だそれはと、呆れたようにため息をつく。


「三永ちゃんも同じこと言って色々勘繰ってたけど、体調不良の何がそんなに納得いかないわけ？」

「むしろ、あの主任が体調不良で休むってことを、そんなにすんなり受け入れてるお前にビックリだよ」


三永ちゃんにも、同じようなことを言われた。ついでに彼女は


『叶井さんは気にならないんですか！？だってあの主任ですよ！体調不良って言葉がこんなに似合わない人もいませんよ』


とも言っていた。

まあ三永ちゃんが言うことも、大路くんが納得出来ない気持ちもわからないではないが、体調不良は誰にでも起こり得ることだろう。それがたとえ、あの主任だったとしたって。
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