夜空に見るは灰色の瞳
「そういやあ、三永ちゃんは元気か?」

「ん?ああ、元気だよ。あの子はいつだって元気」


体調不良という言葉が似合わないのは、むしろ主任より三永ちゃんの方ではないかと思うくらい、彼女はいつだって元気いっぱいだ。
最早それは元気があるというよりも、パワーがあるといった感じで、彼女にはパワフルという言葉が大変よく似合う。


「そりゃ良かった。今度また三人でご飯でも行こうって言っといて。気が向いたら、店の方にも顔出してくれとも」

「うん、伝えとく」

「ところで、叶井は今日どうするんだ。真っすぐ家でいいのか?それとも寄ってくか?」

「あー……どうしようかな」


元々その予定はなかったのだが、せっかくなので寄らせてもらうのはありだ。
でも、それでまた帰りが遅くなって、待っているのに飽きたあの男が探しに来て、大路くんの様子がおかしくなって――という一連の流れを考えると、ちょっぴり面倒くさくもある。

どうやら大路くんとあの男は馬が合わないようなので、と言うか大路くんが一方的に謎の敵意を抱いているらしいので、会わせないに越したことはない。
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