夜空に見るは灰色の瞳
大路くんが、道の端にスッと車を寄せて止める。
改まった言い方に、直前の静けさによる気まずさも相まって妙に緊張したまま、私は頷く。
それを受けて、まず大路くんは深く息を吸い込むと、ゆっくり吐いた。
「……叶井は、俺のことをどう思ってる?」
聞こえた問いは予想外のもので、私は一瞬目が点になる。
思わず、どうって……と呟くと、大路くんは真剣な表情で私を見つめていた。
私の答えを、固唾を飲んで見守っているような、そんな感じ。だから、妙にこちらも緊張してしまう。
「……えっと……大変いいお友達だと思ってる、けど……」
言葉尻が自信なさげになったのは、以前あの魔法使い男が放った、こちらが友達だと思っていても向こうは――という台詞を、このタイミングで思い出したからだ。
それに加えて、“お友達”と言った瞬間に、大路くんの表情が少しだけ歪んだのもある。
「……友達か。……叶井は、男女間に友情は成立すると思ってるタイプか」
「……うん、まあ」
これはひょっとして、あの男が言っていた、こちらが友達だと思っていても向こうは――の流れなのだろうか。
大路くんを友達だと思っていたのは私の方だけで、彼は私のことをそんな風に思ってはいないと、そういうことなのだろうか。
だとしたら、勝手に大路くんを友達だと認識していた私は相当恥ずかしい奴ではないか。
改まった言い方に、直前の静けさによる気まずさも相まって妙に緊張したまま、私は頷く。
それを受けて、まず大路くんは深く息を吸い込むと、ゆっくり吐いた。
「……叶井は、俺のことをどう思ってる?」
聞こえた問いは予想外のもので、私は一瞬目が点になる。
思わず、どうって……と呟くと、大路くんは真剣な表情で私を見つめていた。
私の答えを、固唾を飲んで見守っているような、そんな感じ。だから、妙にこちらも緊張してしまう。
「……えっと……大変いいお友達だと思ってる、けど……」
言葉尻が自信なさげになったのは、以前あの魔法使い男が放った、こちらが友達だと思っていても向こうは――という台詞を、このタイミングで思い出したからだ。
それに加えて、“お友達”と言った瞬間に、大路くんの表情が少しだけ歪んだのもある。
「……友達か。……叶井は、男女間に友情は成立すると思ってるタイプか」
「……うん、まあ」
これはひょっとして、あの男が言っていた、こちらが友達だと思っていても向こうは――の流れなのだろうか。
大路くんを友達だと思っていたのは私の方だけで、彼は私のことをそんな風に思ってはいないと、そういうことなのだろうか。
だとしたら、勝手に大路くんを友達だと認識していた私は相当恥ずかしい奴ではないか。