夜空に見るは灰色の瞳
その後全身を覗かせた男の服は、やはりというか、今日も黒っぽい色味でまとまっている。

そんな男と私とを交互に見て、大路くんは何か言いたげに口を動かしているが、言葉にならないのかそれとも言葉が出てこないのか、ただひたすらに口だけがパクパクしている。
どうやら私は、大路くんからの友達とは思っていない宣言に、落ち込んでいる暇もないらしい。


「どうしますか?叶井さん」

「……どうしますかって、もうこうなったら話すしかないでしょ。絶対信じてもらえないけど」


こんな状況なのに、なぜか男はちっとも慌てた様子がない。むしろ私の方が、この状況をどうやって上手く収めようかと考えるのに必死だ。

それが、どうにも納得いかない。普通は逆だろう。
でもとりあえず今は、男のことより大路くんだ。


「大路くんに、その……大事な話があるんだけど、……時間ある?」
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