夜空に見るは灰色の瞳
「えっと……何て言えばいいのか」

「いいんだ、正直に言ってくれ」


大路くんが、真っすぐに私を見つめる。

これはやっぱり言うしかないのだろうかと、私も覚悟を決めかけたところで


「いや、待て。やっぱりちょっと待ってくれ。心の準備が……」


まさかの、大路くんから待ったがかかった。
そして大路くんは、頭を抱えて項垂れる。


「……あの、大路くん」


せっかく言えそうだったのに、時間が空くとまた言えなくなってしまう。

危機感を感じて声をかけたものの、大路くんからは深いため息が返ってきた。
そして続いたのは、「悪い、やっぱりまだ聞きたくない……」との呟き。


「……え?」


ここまで来てそれはないだろうと思ったが、大路くんはテーブルに顔がくっつきそうなほどがっくりと項垂れている。
そんな大路くんに、いいから話を聞けとはとても言えない。
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