夜空に見るは灰色の瞳
「じゃあ胃もたれじゃないの」
「……胃、もたれ…………んー……胃もたれ……」
ハッキリ否定はしないけれど、違うと言いたげな口ぶりだ。
「……叶井さんと大路くんが、二人で楽しそうにしているとモヤッとするんです。でも、大路くんが叶井さんに“俺達は友達だ”って言ったのを聞いた時は、こう……嬉しいような気持ちになったんです」
「大路くんと私が友達だってことが、嬉しいの……?そこにあなたは含まれてないのに?」
「そこが謎なんですよね」
考え込み過ぎて段々と眉間に皺が寄っていく男を横目に、私は静かに立ち上がってキッチンに向かう。
温かいお茶を用意して戻ると、眉間の皺は更に深くなっているように見えた。
「一息入れたら?」
「あっ、すみません。ありがとうございます」
差し出したコップを受け取って、男は早速息を吹きかけてから口を付ける。
一口啜って一旦口を放すと、すぐにまたもう一口啜って、ほう……と息を吐いた。
その瞬間、深く刻まれていた眉間の皺が消える。
「……胃、もたれ…………んー……胃もたれ……」
ハッキリ否定はしないけれど、違うと言いたげな口ぶりだ。
「……叶井さんと大路くんが、二人で楽しそうにしているとモヤッとするんです。でも、大路くんが叶井さんに“俺達は友達だ”って言ったのを聞いた時は、こう……嬉しいような気持ちになったんです」
「大路くんと私が友達だってことが、嬉しいの……?そこにあなたは含まれてないのに?」
「そこが謎なんですよね」
考え込み過ぎて段々と眉間に皺が寄っていく男を横目に、私は静かに立ち上がってキッチンに向かう。
温かいお茶を用意して戻ると、眉間の皺は更に深くなっているように見えた。
「一息入れたら?」
「あっ、すみません。ありがとうございます」
差し出したコップを受け取って、男は早速息を吹きかけてから口を付ける。
一口啜って一旦口を放すと、すぐにまたもう一口啜って、ほう……と息を吐いた。
その瞬間、深く刻まれていた眉間の皺が消える。