夜空に見るは灰色の瞳
「ところで叶井さん、さっきの話の続きなんですけど」
「……さっき?」
「主任の噂についてですよ!わたしが一番信ぴょう性が高いと睨んでいる噂を、さっきはあっさりと否定してましたけど、ちゃんと根拠だってあるんですよ?」
「根拠……」
私もその噂は知っているが、根拠になるようなものがあったとは初耳だ。
「叶井さんは、主任が入社当時は営業に居たって知ってました?」
「え?ああ、まあ。そんなような話は聞いたことがあるけど……」
これは大路くんから聞いた話なので、チラッと視線を向けると
「まあ、俺も聞いた話だけどな。先輩が、そう言ってた」
ハイボールを作る手を止めぬまま、大路くんが言った。
「じゃあ、これは知ってますか?その時、主任の新人研修を担当したのが、現在の営業部長だったって」
「……へー、そうなんだ。三永ちゃん、よく知ってるね」
その話は初耳だ。私も知らない話を、なぜ私より後に入社した三永ちゃんが知っているのかは謎だが、そういえば彼女は、営業に知り合いが居ると言っていたか。
ここでまたチラッと大路くんを窺うと、彼は知っている話だったのか、特別反応はなかった。
「……さっき?」
「主任の噂についてですよ!わたしが一番信ぴょう性が高いと睨んでいる噂を、さっきはあっさりと否定してましたけど、ちゃんと根拠だってあるんですよ?」
「根拠……」
私もその噂は知っているが、根拠になるようなものがあったとは初耳だ。
「叶井さんは、主任が入社当時は営業に居たって知ってました?」
「え?ああ、まあ。そんなような話は聞いたことがあるけど……」
これは大路くんから聞いた話なので、チラッと視線を向けると
「まあ、俺も聞いた話だけどな。先輩が、そう言ってた」
ハイボールを作る手を止めぬまま、大路くんが言った。
「じゃあ、これは知ってますか?その時、主任の新人研修を担当したのが、現在の営業部長だったって」
「……へー、そうなんだ。三永ちゃん、よく知ってるね」
その話は初耳だ。私も知らない話を、なぜ私より後に入社した三永ちゃんが知っているのかは謎だが、そういえば彼女は、営業に知り合いが居ると言っていたか。
ここでまたチラッと大路くんを窺うと、彼は知っている話だったのか、特別反応はなかった。