夜空に見るは灰色の瞳
「まだ決定ではないですけど、叶井さんがそのポストに納まるのではないかともっぱらの噂です」
「おっ、遂に出世か、叶井」
「……ただの噂だから」
私としては、信ぴょう性がかなり低い噂だと思っているので、大路くんには言わないでおこうと思っていたのに、うっかりして三永ちゃんに口止めするのを忘れていた。
「そうですかね?わたしは、それを聞いた時すんなり納得しちゃいましたよ。叶井さんならあり得るなーって」
「俺もそう思う。叶井は主任にかなり期待されてたしな。それに、噂とは言っても本人の耳にも入るくらいなんだ。それはその方向でかなり話が進んでるってことなんじゃないのか?」
「噂はあくまで噂だから。それに私、主任の器じゃないし、期待もされてない」
大路くんが「全くお前は……」とどこか呆れたように息をつく。
三永ちゃんも、それに倣うように息を吐いた。
「ほんと叶井は、自己評価が低いよな」
「ほんとですね。叶井さんは全く、ご自分のことがわかっていません」
「……何なの、二人して」
「おっ、遂に出世か、叶井」
「……ただの噂だから」
私としては、信ぴょう性がかなり低い噂だと思っているので、大路くんには言わないでおこうと思っていたのに、うっかりして三永ちゃんに口止めするのを忘れていた。
「そうですかね?わたしは、それを聞いた時すんなり納得しちゃいましたよ。叶井さんならあり得るなーって」
「俺もそう思う。叶井は主任にかなり期待されてたしな。それに、噂とは言っても本人の耳にも入るくらいなんだ。それはその方向でかなり話が進んでるってことなんじゃないのか?」
「噂はあくまで噂だから。それに私、主任の器じゃないし、期待もされてない」
大路くんが「全くお前は……」とどこか呆れたように息をつく。
三永ちゃんも、それに倣うように息を吐いた。
「ほんと叶井は、自己評価が低いよな」
「ほんとですね。叶井さんは全く、ご自分のことがわかっていません」
「……何なの、二人して」