夜空に見るは灰色の瞳
「……三永ちゃんはやっぱり鋭いね。それとも、俺がわかりやす過ぎるのかな」

「あからさまに顔に出るってほどではないですけど、よく見ればわかりますね。まあ叶井さんは、どうやら気が付いてないみたいですけど」


その言葉に、大路は苦笑気味に笑った。
いつだったか自分も、叶井に同じようなことを言ったことがあったのを思い出したのだ。


「あいつはな、ほんと全然気が付かないんだよな。ひょっとして俺のこと、男だと思ってないのかな?」

「異性として見られているか否かという問いであれば、残念ながらそうでしょうね。大路さんのことは、いいお友達だと思っているようです。昔も今も、変わらず」


その瞬間、はあ……と深く息を吐く音を残して、大路はカウンターの向こうに見えなくなった。
おそらく、その場にしゃがんだのだろう。ほどなくして、ひょっこりと顔が覗く。


「……俺は、最初の接し方を間違えたんだろうな」


大路の呟きに、三永はしばし考えてから口を開く。
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