夜空に見るは灰色の瞳
「盗まれた物がないかどうか、チェックしてくれてもいいですよ。僕は潔白なので」
「……たとえ泥棒はしてなかったとしても、手口は完全に空き巣じゃないですか。それに、不法侵入に変わりはないですよね」
「許可を取ろうにも、不在だったものですから」
「そういう所に勝手に入っていくことを、不法侵入って言うんです!」
「まあまあ叶井さん、落ち着いて。お疲れでしょう?とりあえず座ったらどうですか」
「……ここ、私の家なんですけど」
「もちろん知っていますよ。今朝も言いましたけど、いい部屋ですよね。二部屋あると、寝室を作れるので来客があってもプライバシーは保たれますし」
「え……まさか、入った……?」
「いえいえ、まさか。女性の寝室を覗くような変態趣味はありません。この部屋にはベッドも布団もなく、また収納しておけそうなスペースもなかったので、となるとあのドアの向こうは寝室かなと思っただけです」
“あのドア”と、男は私から見て左側にあるドアを指差す。
確かにその向こうは寝室で、今朝方脱ぎ散らかした服が散乱しているうえに、飛び起きた時のままベッドもぐちゃぐちゃだ。とても他人様に見せられるような状態ではない。
本当に入っていないのか、足を踏み入れていなかったとしてもドアくらいは開けたんじゃないのか、気になるところだが、ひとまず確認は後だ。
「……たとえ泥棒はしてなかったとしても、手口は完全に空き巣じゃないですか。それに、不法侵入に変わりはないですよね」
「許可を取ろうにも、不在だったものですから」
「そういう所に勝手に入っていくことを、不法侵入って言うんです!」
「まあまあ叶井さん、落ち着いて。お疲れでしょう?とりあえず座ったらどうですか」
「……ここ、私の家なんですけど」
「もちろん知っていますよ。今朝も言いましたけど、いい部屋ですよね。二部屋あると、寝室を作れるので来客があってもプライバシーは保たれますし」
「え……まさか、入った……?」
「いえいえ、まさか。女性の寝室を覗くような変態趣味はありません。この部屋にはベッドも布団もなく、また収納しておけそうなスペースもなかったので、となるとあのドアの向こうは寝室かなと思っただけです」
“あのドア”と、男は私から見て左側にあるドアを指差す。
確かにその向こうは寝室で、今朝方脱ぎ散らかした服が散乱しているうえに、飛び起きた時のままベッドもぐちゃぐちゃだ。とても他人様に見せられるような状態ではない。
本当に入っていないのか、足を踏み入れていなかったとしてもドアくらいは開けたんじゃないのか、気になるところだが、ひとまず確認は後だ。