夜空に見るは灰色の瞳
「僕は今日から、叶井さん専用の魔法使いになろうと思います！」

「…………ん？」


聞き間違いだろうか。
というか、聞き間違いであることを願いたいような台詞が聞こえた気がした。


「えっとですね、一応理由としては、今回叶井さんに正体を知られることになってしまったこの件は僕にも責任がありますから、そのお詫びということになりますね」

「……お詫び」


この男は一体、何を言っているのだろう。

というか、そもそもこちらは空を見上げただけで、その時たまたま視界に空を飛んでいる姿が入ってしまっただけなので、“僕にも”と言うより、そちらにしか責任がないように思うのだが。

いやでもそれを言い始めたら、私はお詫びをされて当然の立場になってしまう。むしろ激しく遠慮したいというのに。
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