夜空に見るは灰色の瞳
ちょっと無理やり過ぎたかとも思ったが、三永ちゃんが話に乗ってくれたので、このまま進めることにする。

ただこの時、三永ちゃんの答える声がワントーン下がったのをスルーしたことに、のちの私は後悔する――。


「どうだった?」

「正直に言って、漫画と同じ名前の人が登場するだけの全く別物の話でしたね。漫画のストーリーには全く沿ってませんでしたし。所々、もしかしてこのシーンは漫画のあの部分かな……?と思うようなところもありましたけど、原作ファンとしては、ちょっと納得のいかない作品だったと言わざるを得ません」

「……へ、へー。そうだったんだ」

「まあ、わかりますよ?だって原作には、現代ではありえないようなファンタジーな設定も盛り込まれてますし、実写化するのはちょっと無理があるんじゃないかって、ファンの間でも話題になってたくらいですから」


とは言いつつも、三永ちゃんはかなり不満げな様子だ。わかってはいるけれど、わかりたくないというやつだろうか。
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