夜空に見るは灰色の瞳
全く、今日はお昼休憩の時にも気力をだいぶ使ったというのに、帰ってきてからも気力を消耗させることになるなんて思わなかった。


「わかりました。まず僕は、叶井さんから信用を得なければならないということですね。考えてみればそうですよね。僕達は、会ったばかりですもんね」

「……いや、そういうことでもないんですけど」

「これから徐々に、叶井さんのことを知っていこうと思いますので、叶井さんも是非、僕のことを知ってください!」


私には、私のことを知ってもらう必要性も、私が男のことを知る必要性も全く感じられないのだが。


「そんな悲しいこと言わずに、仲良くしましょう!」

「とりあえず、勝手に心を読むのはやめてください。今すぐに」

「読んではいませんよ、感じただけです。でもそれは、許可を取ればいいということですか?」

「いいわけないでしょ」
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