夜空に見るは灰色の瞳
大根役者にはならずに済んだけれど、今度は直前の間とぎこちなさによって、三永ちゃんにいらぬ誤解を与えてしまったようだ。
いつもの三永ちゃんならばきっと、そんなところには引っかからなかっただろうに、もしくは普通にウサギの方に興味を持ってくれただろうに、よりにもよってこのタイミングで探偵物の漫画を読んでいたことが恨めしい。
いや、ただ読む分には一向に構わないのだが、影響を受けるほどに読み込んでいたところに問題がある。
「大丈夫ですよ、叶井さん!言いふらしたりしませんから」
「……あのね三永ちゃん、誤解なんだよ」
「恥ずかしがらなくてもいいですってばー」
「……いや、あの、違うんだって」
自分の推理が当たったと思い込んでいるからか、妙に上機嫌な三永ちゃんは全く聞く耳を持ってくれない。
「それでその彼氏さんは、どんな方なんですか?どこで出会ったんですか?いつからお付き合いされているんですか?」
わざわざ化粧直しの手を止めて、三永ちゃんはグイグイ詰め寄ってくる。
いつもの三永ちゃんならばきっと、そんなところには引っかからなかっただろうに、もしくは普通にウサギの方に興味を持ってくれただろうに、よりにもよってこのタイミングで探偵物の漫画を読んでいたことが恨めしい。
いや、ただ読む分には一向に構わないのだが、影響を受けるほどに読み込んでいたところに問題がある。
「大丈夫ですよ、叶井さん!言いふらしたりしませんから」
「……あのね三永ちゃん、誤解なんだよ」
「恥ずかしがらなくてもいいですってばー」
「……いや、あの、違うんだって」
自分の推理が当たったと思い込んでいるからか、妙に上機嫌な三永ちゃんは全く聞く耳を持ってくれない。
「それでその彼氏さんは、どんな方なんですか?どこで出会ったんですか?いつからお付き合いされているんですか?」
わざわざ化粧直しの手を止めて、三永ちゃんはグイグイ詰め寄ってくる。