夜空に見るは灰色の瞳
「そうなると、何がいいかな。何かこう軽めの、身の危険を感じなくてもよさそうな何か…………あっ、そういえば、玉子焼き用のフライパンが欲しかったんだよな。……いやでも、そういうのは違うよね。ああでも物で言ったら、新しいマットレスも欲しい。……いや、だからそうじゃなくて」
絶対にそうじゃない。いやでも、ひょっとしたらありなのだろうか。何にしろ、私はかなり即物的な人間であるらしいことが判明した。
とりあえず、何かもっと他にないのかと考えながら洗面所に入ると、思い悩みながら歯を磨き、顔を洗う。
洗い終わったところで目を瞑ったままタオルを探し、見つけたそれを掴んで顔を拭くと、目を開けて一番に鏡が目に入った。
「おはようございます、叶井さん」
「うわっ!!?」
さっきまで寝起きのぼんやりした自分の顔が映っていたそこには、灰色の瞳でこちらを見つめる男が映っていた。
見える範囲でも、着ている物は相変わらず黒っぽい。
絶対にそうじゃない。いやでも、ひょっとしたらありなのだろうか。何にしろ、私はかなり即物的な人間であるらしいことが判明した。
とりあえず、何かもっと他にないのかと考えながら洗面所に入ると、思い悩みながら歯を磨き、顔を洗う。
洗い終わったところで目を瞑ったままタオルを探し、見つけたそれを掴んで顔を拭くと、目を開けて一番に鏡が目に入った。
「おはようございます、叶井さん」
「うわっ!!?」
さっきまで寝起きのぼんやりした自分の顔が映っていたそこには、灰色の瞳でこちらを見つめる男が映っていた。
見える範囲でも、着ている物は相変わらず黒っぽい。