日常(仮)
あの日、何がきっかけで、どうしてそんな考えに至ったのか私にはわからない。
施設の先生に、お祓いを受けようと言われた。
私はおかしいと言う。
ていらと無理やり引き離された。
やめて、やめて。そうお願いしてるのに、大人たちの力にはかなわない。
「やめてよ。ていらに酷いことしないで。なんで今更、こんなことするの…」
泣いても叫んでも大人はやめてくれない。
強い力で押さえられたていらは檻に押し込まれようとしているのを、拒んでいる。
「こころ、大丈夫。大丈夫だからね、」
必死に抵抗しながらていらは言う。
大丈夫じゃないじゃん。ていらをどこに連れて行くの?
どうして?ていらに何するの?
私には、ていらしかいないのに。たった一人の家族なのに。
「心愛ちゃんのためなの…!」
大人がそう言う。
私のため?私のためにていらを連れて行くの?
は…?ふざけないでよ。
私知ってるよ。施設の大人が「化け猫に憑りつかれた子」って私のこと呼んでたの。
私のこと気味悪がってたのも気づいてたよ。
本当に私のため?
私とていらが離れれば、私が「普通の子」になると思ってるの?
「やめて。」
自分の中に黒い何かがこみ上げてくるのがわかった。
「こころ、落ち着いて!」
ていらが檻の中から叫んだ。
けど、私の意識は一つに集中していた。
‘‘ていらを返して‘‘
グッと身体に力がはいった。
その瞬間何かが爆発したような現象が起きた。
私のそばにあった窓ガラスが割れ、ていらを閉じ込めようとしていた檻は原型をとどめていなかった。
自分でも何がおきたのかわからない。
ただそこに立っていることしか出来なかった。
大人たちは、おびえた様子で私とていらから離れた。
この現象を起こしたのはどちらかわからない。だけど、きっとそんなのはどっちでもいいんだろう。
今、自分たちの目の前にいるのは化け物なんだと思っていることに間違いはない。
「こころ。」
ていらが私のそばに近寄る。
心配そうに私の顔を覗き込む。
ていらを抱きかかえる。
「ていら、わかんない。わかんないけど、怖い。」
「大丈夫だよ。こころは、こころだから。私はこころのそばにいるよ。」
施設の先生に、お祓いを受けようと言われた。
私はおかしいと言う。
ていらと無理やり引き離された。
やめて、やめて。そうお願いしてるのに、大人たちの力にはかなわない。
「やめてよ。ていらに酷いことしないで。なんで今更、こんなことするの…」
泣いても叫んでも大人はやめてくれない。
強い力で押さえられたていらは檻に押し込まれようとしているのを、拒んでいる。
「こころ、大丈夫。大丈夫だからね、」
必死に抵抗しながらていらは言う。
大丈夫じゃないじゃん。ていらをどこに連れて行くの?
どうして?ていらに何するの?
私には、ていらしかいないのに。たった一人の家族なのに。
「心愛ちゃんのためなの…!」
大人がそう言う。
私のため?私のためにていらを連れて行くの?
は…?ふざけないでよ。
私知ってるよ。施設の大人が「化け猫に憑りつかれた子」って私のこと呼んでたの。
私のこと気味悪がってたのも気づいてたよ。
本当に私のため?
私とていらが離れれば、私が「普通の子」になると思ってるの?
「やめて。」
自分の中に黒い何かがこみ上げてくるのがわかった。
「こころ、落ち着いて!」
ていらが檻の中から叫んだ。
けど、私の意識は一つに集中していた。
‘‘ていらを返して‘‘
グッと身体に力がはいった。
その瞬間何かが爆発したような現象が起きた。
私のそばにあった窓ガラスが割れ、ていらを閉じ込めようとしていた檻は原型をとどめていなかった。
自分でも何がおきたのかわからない。
ただそこに立っていることしか出来なかった。
大人たちは、おびえた様子で私とていらから離れた。
この現象を起こしたのはどちらかわからない。だけど、きっとそんなのはどっちでもいいんだろう。
今、自分たちの目の前にいるのは化け物なんだと思っていることに間違いはない。
「こころ。」
ていらが私のそばに近寄る。
心配そうに私の顔を覗き込む。
ていらを抱きかかえる。
「ていら、わかんない。わかんないけど、怖い。」
「大丈夫だよ。こころは、こころだから。私はこころのそばにいるよ。」