日常(仮)
私は難しいことを考えるのをやめた。
ていらとこれからも一緒にいられるのならばそれでいい。
誰も邪魔をしないでくれるようになるのなら、それだけでいいや。
ただ、そう思った。
この日のことが原因で、私はこの施設にいられなくなった。
たくさんの施設を転々とした。
どこに行っても馴染めないし、誰も近寄ろうとしない。
別に良かった。
私は一人じゃないから。
人と関わらず、どんどん自分の殻にこもっていった。
そんな私に変化が訪れるきっかけとなったのは、教会に併設する施設に移ったことだった。
「はじめまして。よろしくね、心愛ちゃん。」
優しく微笑む施設の先生。
頭だけ軽く下げた。
「こころ、感じよさそうな人じゃん」
私の足元にていらがいる。
ていらと一緒にいることは、もう何も言われない。
というより、何も言えないんだと思う。
ていらのほうを見て、首を小さく横にふった。
ヤダよ。ここは私たちのこと受け入れてくれるなんて期待しない。
「そんな顔しないの。ぶすになるよ。」
なんてこと言うのよ、
そう返したかったけど、目の前に人がいたから
ていらに眉間にしわを寄せた表情を送った。
「心愛ちゃん、その子のお名前教えてくれない?」
「え、」
驚いた。だって、初めてだったんだもん。
ていらの名前を知りたいっていう人。
「ほら、案外当たってるかもよ」
ていらを抱き上げる。
「…ていら。」
「ていらね。改めて、よろしくね。心愛ちゃん、ていら。」
ふふ、という表現が似合うような笑い方をする人。
穏やかそうな人。
ていらとこれからも一緒にいられるのならばそれでいい。
誰も邪魔をしないでくれるようになるのなら、それだけでいいや。
ただ、そう思った。
この日のことが原因で、私はこの施設にいられなくなった。
たくさんの施設を転々とした。
どこに行っても馴染めないし、誰も近寄ろうとしない。
別に良かった。
私は一人じゃないから。
人と関わらず、どんどん自分の殻にこもっていった。
そんな私に変化が訪れるきっかけとなったのは、教会に併設する施設に移ったことだった。
「はじめまして。よろしくね、心愛ちゃん。」
優しく微笑む施設の先生。
頭だけ軽く下げた。
「こころ、感じよさそうな人じゃん」
私の足元にていらがいる。
ていらと一緒にいることは、もう何も言われない。
というより、何も言えないんだと思う。
ていらのほうを見て、首を小さく横にふった。
ヤダよ。ここは私たちのこと受け入れてくれるなんて期待しない。
「そんな顔しないの。ぶすになるよ。」
なんてこと言うのよ、
そう返したかったけど、目の前に人がいたから
ていらに眉間にしわを寄せた表情を送った。
「心愛ちゃん、その子のお名前教えてくれない?」
「え、」
驚いた。だって、初めてだったんだもん。
ていらの名前を知りたいっていう人。
「ほら、案外当たってるかもよ」
ていらを抱き上げる。
「…ていら。」
「ていらね。改めて、よろしくね。心愛ちゃん、ていら。」
ふふ、という表現が似合うような笑い方をする人。
穏やかそうな人。