酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「もしもし、どうしたの?」

「あ、あのね、マカ。
話したいことがあるんだけど...。」

「なに?」

「えっと...佐伯さんのことで...。」

「移動、大丈夫そう?」

「それなんだけど...難しそうっていうか...。」

「事務所はダメって言うだろうけど、契約近頃一旦切れるんじゃない?
そのときに乗じて上手く話持ちかけてみてよ。」

「で、でも...。」

「大丈夫。
後で手順送ってあげるから。それに従って交渉してみて。
それと、そろそろ具体的な日時に沿ってプラン決めたいんだ。いいよね?」

「え、もう?」

「ごめん。もういてもたってもいられなくて。
私も、もうすぐ独立して事務所立ち上げるの。
もう登記も済ませちゃったから。」

「え...。」

「この後すぐメールで色々送るから、詳しくはそれ見て。」

「え、あ、あの...?」

「お願いねまつり。じゃ、私は仕事だからもう切るね。」

あ...。

切れちゃった。

どうしよう、何も言えなくて...。
< 105 / 259 >

この作品をシェア

pagetop