酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった！？〜

ついに佐伯さんが歌手デビュー！？

それで、やっとマカが佐伯さんと対面。

「佐伯さん...ですよね？」

「はい。よろしくお願いします。」

「すごい...。はっきりいってそこにいる俳優よりずっとイケメンかも。」

「おい、佐伯ほめんのに俺を犠牲にすんのはやめてくれる？俺一応容姿で飯食ってるから。」

それはそれでパワーワードだなぁ...。

まあ、芸能界ってそんな所かも。

「というか、以前俺のことそれとなくいらない発言したらしいな。謝罪しろ。」

「だって、いらないんだもーん。
間違ったこと言ってないじゃん。」

「はぁ？
礼儀知らねーの？こいつ。」

「それはお互い様でしょー。
少なくとも私のサウンドには合わないんだから、他の作曲家で我慢してよね。

私が興味あるのは佐伯さんだけなの。」

「お前のサウンドだかなんだか知らねーけど、それの方に問題があるだけじゃねーの？」

「一応、名高いコンクールで新人賞も、今年は大賞も取ったばかりですけどー？」

「コンクールの審査員がろくでもねーやつなんだろ。名高いって誰の基準だよ。」

「そーやってプロデューサーにいちいちたてついてると、後々後悔しますよ、俳優さん。」

「俺もプロデューサーはちゃんと選ぶんでね。もどきにまでいちいちヘコヘコしねーっての。」

「誰がもどきだ！」

「2人とも落ち着いて？」

と、私が止めると2人はそっぽ向いたけど、やっと落ち着いたみたい。

仲は良さそうでなにより...なんて。

「そうそう、こんな奴の挑発に乗ってる暇はないんだった。
早速歌声きかせてくれる？」

「はい。」

「やった！
じゃ、スタジオ行こ！」

なんて、私が入る隙もなく、手を引かれて佐伯さんは楽屋を出ていってしまった。

「...なあ、あいつほんとに大丈夫なわけ？」

「たぶん、大丈夫ですよ。たぶん。」

「たぶん、、たぶん、ねぇ...。

で、お前も行かなくていいの？」

「い、いってきますっ！」

「...おう。」