酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
今日(?)の収録は難なく終了...。

終始彼女がテンションマックスで、
なんかとにかく嬉しそうだった。

「まつり、めっちゃ良かったよ!!」

って、まるで私が収録に臨んでいたかのような口ぶりで褒めてくれた。

「こちらこそよかった。佐伯さんのことマカも気に入ってくれたんだね。」

「うん!
というか、予想を遥かに超越した美男子だった...。」

「でしょ?
私も最初びっくりしたんだ。」

「いきなり会っちゃうとやっぱビビっちゃうかも、ある意味。

それに、声もめちゃくちゃよかった...!
これも、期待どおりっていうか、それ以上っていうか...。

あー、あんな試作品みたいな譜面渡して私超絶恥ずかしい...。」

「え、あれで試作品なの?」

「うん、まあ一応どういう声かなぁ、合うかなぁって考えて作った曲ではあるんだけど。佐伯さんの歌声に追いついてないよね。まだまだ私のクオリティが。」

「そうかなぁ...。」

「まあ、今日は急ぎすぎちゃったな...。
佐伯さんに迷惑かけたかも、ごめん...。」

「大丈夫だよ。佐伯さんもマカのことすごいって言ってたから。」

「そう?
それならよかったけど、まだまだ頑張らなきゃっていうか...。

でも、やっと佐伯さんに会えて、
歌ってもらえて、楽しかった...夢みたいな時間だったなぁ...。」

そう言うマカがなんだか夢見る乙女って感じで...。

まあ、これは職業病みたいなものなんだろうけど。

なぜか、羨ましいというか...。

「あ、これはあくまで仕事の枠組みの中の話だからね?プライベートとかそういうのはまつり専門だから!」

って、なんかガバガバなフォローを...。

「仕事も私一応マネージャーだから専門じゃなきゃこまるんだけどー。」

「えー、あ、そうだった。
でも、ほんとにそういう心配はしないで?
そこはきっかり分けるから。」

「ほんとかなぁー?」

「ほんとだって!」

うん、まあ分かってるならそれでよし。
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