酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「佐伯さん、おはようございます。」

「おはよう。」

「御園さんもマカもここにいるんだね。」

「ごめんねまつり。
この俳優に仕方なく用があったんだけど、こんなところで佐伯さんの邪魔してるから。」

「いいだろ別に。俺の拠点はもはやここなんだよ。」

「勝手に拠点にしないでください。」

「前は邪魔せずにひとりで帰ったんだからな。寂しかった。」

あの密室事件か...。

「それで、あんたは何の用で来たんだよ。」

「佐伯さんとお喋りしててきいてなかったでしょ。
一応事務所から頼まれたからあんたに曲提供するの。
小野寺さんにはもう言っといたけど。」

「へぇ。
ま、上がそう言うならいいんじゃね?

ちゃんと仕事しろよ。」

「手抜きなんかしないけど、乗り気にはなんないよねー。」

「はぁ?」

「今ここでノートパソコンでサウンド作っちゃおうかな。ほら、あんた今日は暇でしょ。
手伝って。」

「なんで俺が。っていうか暇じゃねーし。」

「あんたのためにやってる仕事なんだから。どのぐらい歌えるかとか知らないし。
そっちこそ仕事ちゃんとしてよね。私のポリシーに反するようなことはしないで。」

「っち。仕方ねーな。」

いいけど、ここ佐伯さんと私の...。

まあいいや。

「佐伯さん、私たちもお仕事行きましょうか。」

「うん。一緒にいこ。」

佐伯さんもこんなにうるさい人がいると毎回大変だろうな...。
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