酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
でも、晴れないものもあるな。

佐伯さんがこれから顔出しして更に有名になっていくんだろうけど。

もっと安全な状態がいいっていうか。

満を持して出たいっていうか。

事務所の都合で振り回された末って...。

それは周りの人、気付くだろうし、良いように思われないかもしれない。

週刊誌とか、ウェブニュースとかで、事務所がピンチだから利用されて出てきたって。

そう書かれちゃうかもしれない。

そうしたら、風評被害を被っちゃうかも。

佐伯さんは、このことどう思ってるんだろう。

「よ、佐伯のマネージャー。
佐伯は?」

「収録です。」

「じゃ、俺ここで待つぞ。」

「お好きにどうぞ。」

「なんかお前今日物分かりいいな。
それもなんか怖いけど。」

「なんでですか。」

「いつもはせっきって追い出そうとするくせに。なんか悩み事でもあんの?」

「別に。」

「あっそ。まあ興味ないけどよ。
そのブス顔だと佐伯が絶対反応するぞ。」

「言い方もっとなんかないんですか。
ブスって...傷つきますよ。」

「ちょっと噛んだだけだ。
ブス顔じゃなくてむすっと顔。」

「全然違いますし...。」
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