酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
イベントも後半戦。

もうすぐ佐伯さんが登場する。

それまでは結構例年通りの流れだな...。

皆盛り上がってる...。

こんなに人が多いのに、いつも声優や演者さんはちゃんとパフォーマンスできてすごいな...。

「次は...オリジナルストーリーの朗読やります!」

って、言ってるから、そろそろ出番なのかな...。

と。

「あれ、電気消えた??」

照明が落ちるどころか、会場中の電気が消えて真っ暗。

これは流石にこわそう...。

でも、

これって...。

「え、あの...照明さん大丈夫?」

辺りは騒然となる中。

パッと。スポットライトが...。

「あれ、お前は...って、ミナトじゃん!」

「ははは。
照明は乗っ取られた。おれに。」

...何の茶番なんだろ。

と、いうのも佐伯さんはこの役じゃないし、いつも出てる声優さんが喋ってるだけだから。

確かにミナトって人は、おふざけキャラだし、こういうの毎年入れてくるけどね。

なんだ〜、ミナトか〜ww

って会場中で笑い飛ばすのが定番。

なんだけど。

「あれ?声が、高くなってる??
ちょ、なにこれ!?」

今度はそのおふざけミナトさんのマイクの声が高くなってて...。

会場中大笑いだけど、今回は手が込んでますね。

というか、佐伯さんどこ??

で、声がいつまで経っても戻らないので、

見かねたスタッフさんがマイクを交換しにきた。

でも、このマイクでも声が掠れたようになっていて。まだ調子悪いみたい。

あれれ。

リハーサルのときは問題なかったのに。

これじゃあ佐伯さんが出れなくなっちゃう!!

ピンチ!!

これは私が急遽駆けつけて話し合った方がいいんじゃ...。
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