酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
本番。

佐伯さん、凄く輝いてたな...。

こういうとき、私ってもっと何かサポートできないのかなって結構不安になるけど。

後日視聴率調べたらとんでもないことになってた。

そりゃあそうだよね。

もうファンかどうか関わりなく見るもん。

美声だし...。

「まつり、おつかれー!」

「あ、マカおつかれ。」

「佐伯さん凄く良かったよ。
私に運営任せてもらえたから嬉しくてめっちゃ張り切っちゃった。」

そういえば、忙しそうにしててなかなか会えなかったから分からなかったけど、この音楽番組自体マカが取り仕切ってるんだっけ。

すごいよなぁ...。

他に歌ったり踊ったりしてたアーティストさんたちだってもうなんだかレベルが高かった。

これからこの人たちとコラボとかするのかな...。

「そういえばね。
佐伯さんのおかげでまた新曲がたくさんできたの。超ハイクオリティなアルバムになりそう。」

「もうアルバム...?
結構早いね。」

「まあ、思いつくとずっと徹夜でやっちゃうからね。その分早いのかも。」

「大丈夫?
色々忙しそうだけど。」

「平気だよ。
私が多少ダウンしても運営できるようにスタッフとか育成してあるから。近いところやりたいことだけに集中したいから分業もありかなって。」

「そうなんだ...。」

「それでね、そのアルバムなんだけど、佐伯さんにも作詞とか、制作手伝ってもらっちゃったんだ。
だからさすがに何かお礼できないかなって。」

こっちも随分と仲良くなってるみたい...。

「アルバムってもう発売するの?」

「うん。
デザインとか、細かい調整したらもう売り出せるかなって。
まあでも、レーベル担当がとことん気合い入っちゃってるからもう少し時間かかるのかな...。」

「そうなんだ。」

「でも、まつりもきっと気に入ると思うよ。できたらひと足先に限定版送っちゃうね。」

「え、いいの?」

「もちろん。
今まで志共にして協力してくれたまつりに早くきいてもらいたいんだ。」

「ありがとう。」

「それにこれは、なんというか。
周りの人間は結構やる気だけど、売れるとか、良い曲作ろうとか、そういうのは考えてなくてね。」

「うん...。」

「やっぱり歌って気持ちが大事だと思うんだ。だからあのアルバムには、佐伯さんの気持ちがたっぷり...なんてね。」

「え...?」

「とにかく、楽しみにしててね。
自信作だからハードル上げちゃうけど。」

そんなに言ってくれるなら、どんなのか凄く楽しみになっちゃう自分もいるかも。
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