酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「流石、いい曲に良いお声ね。」

「うん。」

「歌詞も素敵じゃない?
このアルバムは恋が主題なのね。
純粋な恋の歌から、大人っぽい恋愛の歌詞まで...。これじゃあ女子がメロメロになるわけだわ。母さんも虜になっちゃった。」

恋愛...。

「あら。この歌詞、佐伯さんが書いてるわよ。もしかしたら、まつりのことをイメージしてるのかも。」

「え...まさか、そんなことないって。」

でも...。

マカは、すごく自信作だって言ってたな。

私もこれは本当に永久保存版にも匹敵するぐらいの傑作だと思う。

他のアーティストにも引けをとらない、むしろ1番輝いているんじゃないかって...。

もちろんこれは一生の宝物だし、すごく良いと思うけど...。

でも、でもこれが私との...。

佐伯さんの、私への気持ち...?

ぜっ、

絶対そんなわけないもん!!

これはだって、一般の方向けに出してるものだし。

私以外の、もっと...、

元カノとか...。

そういう人たちのを総合的に混ぜたものかもしれないもん!!

「色んな曲あるけど、意外と子どものように素直な歌詞がいいわよね。よっぽどの恋愛経験者ってよりは、1人の女性を愛し続けてるって感じ。」

1人の女性...??

「大人びて見せようとしているけど、不器用だったり、不安だったり...。
少年のラブレターみたい♪」

ラブレター...??

「まつり、顔真っ赤よ?」

「なんでもない!」

「あらそーお?
ほんとはちょっと意識しちゃったんじゃないの??」

「してないもん!」

「佐伯さんはまつりのことがこーんなに好きなのねー。」

「からかわないで!」

「私には分かるのよ。
これはまつりに向けたものだってね。
なんていったって、親ですもの。」

「違う人も...入ってるかもしれないもん。」

「まーそうかもしれないけどね。
今は彼女だからいいじゃない。」

「そうだけど...。」

「私も、
佐伯さんのファンになっちゃったー♪」

「そんな簡単にファンになるの?」

「そうよ。ライブとか、どんどん見に行って、グッズ集めなくちゃね。」

「このにわかファン!」

「にわかでけっこう。まつり様には敵いませんわ。」

最初は佐伯さんのこと信じられないみたいなこと言ってたくせにー。

何この掌返し。
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