酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
大物プロデューサー騒動!?
別の日、楽屋に行くと、佐伯さんのほかに、また御園ユウトと、マカが揃っていた。

それも、佐伯さんを除いた2人は何やら悩んでいる様子。

「どうしたの?」

「あ、まつり。
実はさ、私、ちょっと困ってるの。」

「大物プロデューサーが佐伯を独占プロデュースするためにこっちに移籍するか、佐伯を寄越せって言ってきたんだとさ。」

「え?
それって...。」

「どうしよう。
これじゃ私プロデュースできなくなっちゃう。
しかも、そのプロデューサーなんだけど、元は私の脈を作ってくれた人なの。ここで恩を売られちゃったというか。何かと敵にするとヤバい人なんだって。」

「ということは、俺と佐伯のコンビも無くなるってことだろ。それは避けたいよな。
佐伯を向こうにやるなんて論外だし。」

「実力はすごい人なんだけどね。
まつりは大室達哉さんって、知ってる?」

「聞いたことはあるよ。
確かに有名な人だよね。」

「ここの事務所や向こうにもさっき独占だけはしないでって、説得しようとしたんだけど、大室さん本人と話もできないの。」

「それに、今向こうの事務所の方が大きいし、別件で裁判起こされてるんだよ。
こっちの負けはほぼ確というか。事務所側も早く和解したいわけだから、こっちの意向なんかきいてくれない。」

「だからって、佐伯さんを...?」

「こうなったら、私、直接話に行ってくる。」

「え、マカ?」

「俺も。」

「いや、御園さんはダメですよ。行こうとしても小野寺さんが止めますから。」

「だって、このまま邪魔されんのを指をくわえて見てろっていうのかよ。」

「第一、私、マネージャーなのにそのこと
一切聞かされてないですから。
私が確認します。」

「お前がかよ。
いまいち信用ならねえな。」

「信用できなくても私がやらなきゃいけないことですから。御園さんはここで待っててください。」

「分かったよ。佐伯とここにいる。」

「佐伯さんに変なことしないでくださいよ。」

「うーい。」
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