酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった！？〜

「結野、最近雰囲気変わった？」

「え？」

マカが急にそんなことを...。

「確かに、こいつ雰囲気変わったよな。」

なんて御園ユウトにも言われて...。

「お前、佐伯と何かあったんだろ。」

「...別に何かあったってわけじゃないですけど。」

「けど？」

「え...あの、いつも通りですよ？」

「いつも通りねー。
毎晩のように佐伯の家に泊まるのはいつも通りなんですかねぇ？？」

げっ。。

こいつ見てやがるな...。

「その...別に家に泊まるだけで何もしてないですよ。」

「何もしないのに家に泊める男があるかよ。
信用ならねえな。」

「別に信用してもらわなくても結構ですけど。
何か...いけないんですか？」

「こいつ...。

俺から言わせればふざけんなだけど、
雰囲気的にはプラスなんじゃねえの？」

「そうだね。
今のまつりはすごく良いと思うよ。
マネージャーっていう雰囲気が抜けて、本当にタレントさんみたいなオーラがあるかも。」

「ええ？？」

「佐伯は無自覚に人を覚醒させる能力があんのかもな。俺も佐伯と過ごしてて雰囲気変わったって言われたし。」

「...佐伯さんと過ごしてって...そちらこそ私が見ないところで何かしてるんじゃないですか？」

「ハグとかキスとか？？
そんなのできるわけないだろ。」

「当たり前です！！
冗談前提なんですからストレートに言わないでください！！」

「へー。
お前は当たり前のようにできる特権があんのに？」

「なんですかその言い方。
本当に雰囲気変わったって言われてるんですかね？」

「ああ。舞台上に上がったときの話な。」

「そうですか。」

「まつり、これからも佐伯さんにどんどん接近してくといいかもね。
そうすればもっと可愛くなれるよ。」

「はぁ？
これ以上ってお前...放送・掲載禁止ぐらいまで接近すんのか！？」

「何言ってるんですか。この人。」

「バカな男はそういうことばっか考えるもんねぇ。

そういうことよりも、心理的にっていうか、精神的にっていうか...。

そう、心の距離のことよ。」

「心の距離か...。
確かに、佐伯さんに色んな言葉かけてもらったり、笑顔を見るだけで元気になれるかも。」

「うんうん♪
まつりの1番の武器はそこだよね。
可愛いのはもちろんだけど。」

「あまりこいつを調子に乗らせんなよ。」

「バカね。結局本番はどれくらい調子が良いかが大事だったりするのよ。調子に乗るくらいの勢いじゃなくちゃだめなのよ。私も実際オーディションではそういう基準で選ぶし。」

そうなんだ...。

いいのかな...。

「教えられることは教えたし、あとはコンディションを整えるに尽きるわ。
佐伯さんにも協力してもらいましょ。」

「俺の付け入る隙が...。」

「ないわよ。佐伯さんとまつりは相思相愛なんだから♪」

それをきいて、この男は、ショックなのかなんなのか知らないけど、テディベアみたいに落ち込むのやめてほしいな...。

なんか罪悪感みたいなの感じるから。