酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
しばらくして、

「まつり、一次審査通ったんだって?
おめでとう!」

「あ、うん。
ありがとう。」

「審査はあと4段階くらいあるんだっけ。」

「うん。それも結構早くに決めちゃうみたい。」

「頑張れ。
私応援してるから。

って言うと、なんかプレッシャー感じちゃうよね、ごめん。」

「ううん、いいの。
私も、自分でどこまでできるのかなって試したいし。」

「そっか。私いつもまつりに色々押しつけちゃってるから。
今回だって佐伯さんのプロデュース続行させたいからって、無茶なお願いしちゃってる。」

「大丈夫だよ。
私もマカプロデュースの佐伯さんの歌もっと沢山聞きたいもん。」

「まつり、本当にありがとう!
この恩は一生忘れないから。」

「そ、そんな。
まだどうなるか分からないから。」

「それでも、まつりは頑張ってくれてるじゃん。
それだけで私は嬉しいんだ。」

「うん...。」

「大丈夫。まだ佐伯さんの曲は私が作れるから。
今のうちにいっぱい名作残しておけば、今後またチャンスもないわけじゃないし。
プロデュース剥奪が数ヶ月も延長してるだけほっとしてるよ。」

「そうだね。
この前のシングルもすごく良かったもん。」

「えへへ。どうも。
私、その...佐伯さんの能力っていうのかな。感性みたいな...そういうミュージシャンとしての才能はピカイチだし、はっきり言って、あれだけの人に出逢えるなんて運命的だなって思うの。これからもずっと一緒に制作活動していきたいって本気で...。

って、なんか今のは、変な誤解招きそうな言い方だったかな。

えっと...仕事だけだよ?仕事だけだし...。
うーん、こういうこと言うと、プレッシャーになっちゃうよね...。」

「ううん。大丈夫。
マカの気持ちすごく分かる。」

「うん...ありがと。
逆に言えば、大室さんが佐伯さんに目を付ける気持ちもわからなくないな。
私なんかまだ駆け出しで、元はと言えば大室さんにもお世話になってたってところがあるのに、独り占めしようとするなんて変だって思われちゃうよね。

だから...これからは少しの枠でもいいから、私に彼と作品の創作できる余力を残してもらいたい。っていうのが1番の願いだな。」

「そうだね。
私もマカのこと応援してる。」

「まつり...。私嬉しい。
良い親友に巡り会えたなって思う。」

「こちらこそ。」
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