酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
それで、4次審査が最後なんだけど...。

「え、テレビ企画!?」

急遽、あの大室さんの計らいでオーディションの様子が全国テレビで生配信されることに...。

今どき、そういった大きな企画も珍しいらしく、張り切って大きな会場で行われるみたい...。

テレビに出るなんて、初めてだから、緊張しちゃうし...実力なんてないし...。

いよいよやるのがつらいなって思ってきちゃった...。

「まつり、頑張りなさい。」

「まつり、頑張れ。」

なんて両親に言われるけど。

うーん...。

「そんなにまた悩むようだったら、今日も佐伯さんのお家に泊めてもらってリフレッシュすれば?」

「え...??」

「そうだね、佐伯くんのところにいったあとはいつもなんだか良い顔してるよ。
僕もわかるなぁ。僕もお母さんと一緒にいると、悩みも吹き飛んでしまうよ。」

「なに分かったような口きいてるのよ。
あなたはいつも呑気なだけで、悩んで対処してるのはいつも私よ。」

「そ、そうか...いつもありがとう。」

「何がありがとうなんだか、まったく。」

と、いいつつ仲良いなこの2人。

「じゃあ、私佐伯さんのお家に行ってきていい?」

「佐伯さんは大丈夫だって?」

「うん。いつでも待ってるって。」

「じゃ、いってらっしゃい。
あれこれしてきてもいいわよ。」

「え??
もうそんなに2人は...。」

「そうよ。決まってるじゃない。」

「いや、別にそんなに...。」

「そうか、
父さんちょっと寂しいけど、まつりがいい人って言うんだから、僕は何も言えないし、楽しんでおいでよ。」

なにか...先走ってない...?
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