酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「ごめんなさい、また来ちゃって。」

「いいよ。ちょうど寂しかったから、来てくれて嬉しい。」

また今夜、佐伯さんと一緒に眠れる。

やっぱりしあわせ。

「これ、良かったらどうぞ。」

わ...美味しそうなお茶とお菓子。

いつもこうやって気を遣って出してくれるな...。

今日はメレンゲを焼いてフルーツやクリームのトッピングがされたオシャレなお菓子に、真っ赤な紅茶...。

「美味しいです...。幸せです。」

「良かった。喜んでくれたみたいで。」

「はい!
あの、このお菓子も、もしかして...。」

「うん。また作ってみた。」

これ絶対手間かかってる...!!

なんだか、高貴なお菓子...。

あーもう。
美味しいし、ちょっと申し訳ないけど嬉しいし...。

やっぱりこの人が私好きだぁ...!!

「まつりがそうやって笑顔でいてくれるの、なんだか、勝手に生きがいみたいに感じちゃうな。」

「生きがい...ですか?」

「うん。まつりの幸せが俺の幸せだから。」

それをそのまま私返します!!

そんなに...私の笑顔を見て笑顔になってくれるなら、わたし、笑顔いっぱい彼に...。

うーん...。

とはいえ、私もいつもお世話になってるから、何か具体的なお返しがしたい。

オーディションが終わったら、手作りで料理ぐらいは作ってあげられるように、練習しなくちゃ。

少しでも、彼に相応しい女性に近づかなくちゃだめだから。
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