酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「わ、佐伯さ...ん。」

大胆に、ソファへ押し倒された。

佐伯さん、お風呂から出たばかりだから、まだ少し髪が濡れてるし、シャンプーとかの、良い香りが...。

「...俺の家だから、こうやって襲われちゃっても助けは呼べないね。」

「あ、あの...。」

身動きがとれないまま、顎のあたりをつうっとされて、持ち上げられる。

「んっ...。」

あ...キス...。

とつぜん、されたらどうすればいいか分からないよ...。

今日の佐伯さんは、なんだかいつもと違うな...。

「...もう解放してほしい?」

「え...。」

声が出ないし、それに、解放は、

まだ、ちょっ...と...。

「...まつり。」

「ひゃ。」

耳元...みみもと!

いや...。

それはだめ。

「佐伯さ...。」

「好き。」

佐伯さん...。

自分がものすごい「声優」であることをもっと自覚してください!!

そうやって耳元で囁かれて何度気絶しそうになったことか...!

今さらのように言うけど、
普通に話してるときですらちょっとやばいんだから...。

息遣いとか、吐息とか、伝わって...。

ダミヘなんかと比べてももう余裕ではちきれるくらいで...。

へ、変な声出ちゃいそうだよ...。

そしたら、今度は。

「まつり、かまっておねがい。」

って、耳元でさっきとはちょっと違う甘え声を出してきて...。

これは...、
もう私のうつわが崩壊してしまう...!!

「佐伯さ...ち、近い...です。」

「...あ、ごめん。
もう少し距離空けるからそんなに力まないで。」

「はい...。

って、え...、あ、

んっ!!」

い...いや...。

こわれちゃうからもう...。

はなして...?

「さ...えき、さ...あ。
んー!」

ちょ、ちょ、

ちょっと...。

いつもより、キスが、激し...。

「はっ...。」

...。

あ、たま...まっしろ...。

なんだけど...。

やだ...。

なにこれ...。

「まつりが俺の家に来たいって言ってくれたんだよ。」

「そ...うですけど。」

あ、拗ねたような顔...。

でも、すぐに笑顔になる。

いたずらっぽい...。

「ね、やっぱりもうちょっと近づきたい。
だから今から少しずつ慣れて。」

「自信...ないですけど...。」

「そっか。そうだよね。
俺も実は緊張してる。
キスとか...上手くできるかなっていつも。」

う、うそ...。

優しく手、握って。

私より大きいのに、跪いてわざと上目遣い...。

それで、手の甲にちゅっ、

って...。

絶対緊張してない!!

意外と小悪魔っぽいし!!

女の人口説くの慣れてるんじゃないかって疑ってしまうくらい...。

「急にごめんね。
でも、なんか今日は我慢できなかったんだ。次から気をつけるから、許して?」

「あ、いえ...。」

「明日はまたオーディションでしょ?
俺のことでまつりには苦労をかけてるね。」

「そんなことないです。
私が自分でやるって決めたことですから。」

「まつりは強いね。」

「そうですか?」

「うん、頑張って。」

「はい!」

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