酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった！？〜

「あ、久しぶりです、御園さん。」

「あー。佐伯のバカ彼女じゃん。」

「なんですかその言い方。
というか、なんかお疲れですね。」

「お前の代わりに疲れてやってんだよ。」

「どういうことです？」

「佐伯についてる虫を片っ端から追い払ってんの。特にカナエとかいうやつ、結構しつこくて。」

やっぱり...カナエは佐伯さんのことが...。

「お疲れ様です。それで仕事には専念できてるんですか？」

「仕事どころじゃねえよ。
というか、お前、その問題のカナエってやつとユニット組むんだって？」

「そうですよ。」

「じゃあ、パス。
後は自分でどうにかしろ。
というか、今度は俺のためにお前が上手くやれよ。」

「上手くですか...あまり自信ないです。」

「自信なくてもやらなきゃやられるだけだぞ。」

「そうですけど...。本当に佐伯さんに気がありそうですか？」

「撮影の合間にずっと佐伯と話してるし。
この前佐伯の楽屋にまで行って話し込んでたぞ。俺が追い出したけど。」

「追い出しちゃったんですか。」

「まあ、言い方は考えたつもりだけど。
その方が無難だろ？」

「そうですね。」

「なんだよその薄っぺらい反応。
まあいい、後はお前に丸投げだからな。
しっかり佐伯を見張っとけよ。さもないと、
ただじゃおかないからな。」

もっとさもないとの後を具体的に考えてから言ってほしい。

でも、そうか...。

やっぱり、どうにかしなきゃかな。

思い切ってカナエに伝えてみようか...。