酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「今日の舞台は大成功だったね。」

「うん、まつりのおかげだよ。」

「そんなこと...。私まだ慣れてないから。」

「まつりのファンすごく多いじゃん。すごく盛り上がってくれて良かったよ。」

「カナエは、本当にパフォーマンスの質高いし、すごいと思うよ。歌とか踊りのアドバイスもくれて、尊敬してる。」

「いやいや、そんな。」

「カナエは大変だよね。女優も歌手もモデルもこなしてるんでしょ?」

「うん、まあこなせてるかどうかは分からないけど、色々挑戦させてもらってる。
ほんと、私なんてまだまだなんだけどね。

色々手を出してはいるけど、自信はあまりなくて。今度声優っぽいこととかも挑戦してるけど、ダメ出しばっかで。

佐伯さんってすごいよね。」

「うん...。」

「まつりは佐伯さんに会ったことある?
すごく気さくで優しくて良い人だよ。

佐伯さんは声優が本業だから、すごい参考になることいっぱいあって、よく教えてもらっちゃってるの。」

ほんとに佐伯さんって、大人気なんだな...。

私が付け入る隙...無くなってきてるかも。

「まあ、まだまだだけどさ、
でも、最近ちょっと良いこと続いてるから。
だからめげずに頑張ろうって思えるかな。」

「良いこと?どんなことがあったの?」

「うーんとね、
私も一応好きな人いるから、その人とちょっと近づけた気がしたっていうか。まあ、まだ全然顔見知りから進展してないけど。

最近仕事でよく会うの。会えたらラッキーって思えるし、この前ちょっと話せた。」

...??

「え、それって芸能人?」

「うん。」

「うーん、私も知ってる人かな?」

「知ってる...と思うよ。

この前、スタジオの廊下ですれ違って話してたの見たから。」

「え、私が??」

「うん。」

...この前話した芸能人って誰だ...?

まあ、一応挨拶程度話す人なら何人かいなくはないけど。

佐伯さん...は最近仕事上では全然会ってないからな...。

「あの...言い方悪かったらごめん。
聞いた感じ、結構仲良さそうで...。

もしかしたら、まつりの彼氏さんと、同じ人...だったり...。」

「え?」

「あの、もし同じだったら素直に私あきらめようと思うし...。
前からちょっと気になってはいたから、いつか早いうちに確認しようかなとは思ってたの...。」

「あ、そ、そうなんだ...。」

「ほんとに、まつりとは仲良くしたいと私、思ってるから。
だから...。」

ちょっと悲しそう...。

うーん...。

「大丈夫だよカナエ。私気にしないから。」

「ありがとう...。
実は私...。」

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