酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
翻弄された...。

というか圧倒された...。

あっという間に1日が終わっちゃった...。

ここの事務所では、特に打ち上げといった交流機会もなさそうで、早く帰れるからいいかな...?

いや、よくないかも...。

だって、佐伯さんと早く別れちゃうなんて...。

とりあえず、疲れただろうからそこの自販でオレンジジュースを買って渡してあげよう。

ポンズのオレンジジュースが好きだって情報は公式のサイトから得てる。

...といっても、やっぱり自販にマイナーなオレンジジュースがあるのって、

佐伯さん仕様だから...?

というか他のタレントや声優さんはこのフロアにはいないみたい...。

「あの、お疲れ様でした。オレンジジュースです...。」

「ありがと。これ好きなんだよね。」

あ、やっぱり好きなんだ...。

本当の情報で良かった...。

「まつりもおつかれ。
アイスコーヒーいれたからよければ飲んで。そこのメーカーで作ったやつだけど。」

「あ、ありがとうございます...。」

佐伯さんにいれてもらうなんて...!

幸せだけど未熟でほんとに申し訳ない!

控室に置いてあるメーカー私も買おうかな...。

アイスコーヒー好きだから...。

...あ、キャラメルシュガー入り...?

「美味しいです...。」

「良かった。
好きってきいたから。」

...!?

誰に!?

それにそのスマイルは胸に刺さるからもうやめて...。

「聖塚さんのことは何度か言伝できいてるよ。
俺に会いたがってるんだってね。」

「知っていたんですか...?」

「うん。
君が半分聖塚さんのところの諜報員だってこともね。」

諜報員...。

スパイ認定されてしまった...。

というかバレてたんかい!

「あの...危害とか加える気は全くなくて...。」

「知ってるよ。俺を歌手にしたいんだって?」

「はい...。」

「俺は歌好きだし賛同するけど、こればかりは事務所を通さないとどうにもならないんだよな。申し訳ないけど。」

「い、いえ!
大丈夫です!
聖塚さんには...とりあえず人となりを見てこいって言われただけで...。」

「正直だね。」

「あ...す、すみません!」

「謝ることはないよ。
最近一人でちょっと寂しかったし。
しばらくいてくれるだけでも心強いかな。」

心...強い...?

感激して涙出そうなんだけど...!
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