酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
いよいよ騒ぎが大きくなってきて、私は家で自粛することになってしまった。

事務所にも佐伯さんのファンと見られる人から脅しみたいな手紙が届いたって...。

「まつり、外には取材陣が押しかけてるわ。」

母がカーテンの隙間から外の様子を見てそう言った。

「あんたも有名人になったものね。
ほら。」

ニュースでも流れてる...。

「なんか、わたし犯罪者みたい...。」

「そうね。罪深いかもね。」

「そんな...。」

「幸い佐伯さんのガードはしっかりしてるみたいね。仕事は続けられているみたいよ。

このまま事態が収まるのを待つしかないわね。」

「うん...。」

「佐伯さんと連絡はとってるの?」

「この前電話はしたよ。」

「そう。」

「悪いのは私なのに、すごく後ろめたい気持ちにさせちゃったみたい。
大丈夫だから俺のことは気にしないでって。」

「まあ、仕方ないわね。
いずれはバレるものよ。そういうのって。
どんなに変装してても佐伯さんは目立つしね。」

「...。」
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