酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「すみません、大変な中わざわざ来ていただいて。」

「いえ、大丈夫です。
それで、お話というのは?」

「今回の騒ぎは、実はマネージャーのせいなんです。」

「それって、深谷さんの...?」

「はい。
マネージャーというのは、芸能人のプライベートの情報を守らなくてはいけないのですが...どうやら、報道側に情報を漏らしたのは彼女のようなんです。」

「え...?」

「彼女は、前にも大室さんなど色んな芸能人やその会社の情報を売って問題になっているんです。」

「どうしてその情報を?」

「実は...僕は、以前、彼女と交際していたときがあったんです。

そのときに、そのことを知って、彼女と別れることを決めたんですが、彼女は納得してくれませんでした。

最近にいたっては、僕の周りをかぎつけては、マネージャーとして情報を手に入れ、ひけらかして問題にするんです。

御園のことも、僕と離れるように仕向けているようですし...。

佐伯さんの件も、きっと嫌がらせですよ...。」

「そんなことが...。」

「すみません。
僕が気をつけていればこんなことには...。」

「小野寺さんのせいじゃないですよ。
私もちゃんとしてませんでしたし。」

「いいえ。
彼女は佐伯さんと雛形さんのメールのやりとりや、住所まで全て把握しているんです。
そのことをもっとバラすと言われて...。」

「そんな...。」

「彼女がこうして好き勝手できるのは、彼女が問題を起こしてもそれを揉み消すためのバックアップをしてる人物がいるんですよ。」

「それは...誰なんですか?」

「彼女の父親です。
といっても、血の繋がりはないようなのですが。
御橋燿一郎という人物です。」

「御橋?」

「はい。
御橋ゆなさんをご存知ですか?」

「はい。」

「その人の父親でもありますし...。」

「?」

「確か、雛形さんのお父様も有名な方ですよね。」

「まあ、そうらしいです。」

「お父様と一緒に音楽活動をされていた方ですよ。」

「そうなんですか!?」

「はい。
音楽活動を辞めてからは芸能事務所も営んでいたようですし、家も昔からの名家ということもあって、その地位はかなりのものらしいです。」

「...それじゃあ、お父さんにとりあえず説得させてみるのは...?」

「うまくいくかは分かりませんし...。
いいんでしょうか...?」

「だって、そうしないとまず小野寺さんが困るじゃないですか。」

「それはそうですが...。」

「どうせ家も、もうピンチですし、やれるだけのことはやらないと。というかやってもらわないと。
ものは試しですから。」

「さすが、お強いですね...。」

「え...強い、ですか...?」

「...。」

小野寺さんが黙っちゃった...。
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