酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「最近、まつりちゃんは浮かれまくっているわね?」

母さんにそう釘をさされても、私のウキウキ具合は上昇するばかりだ。

「そんなに佐伯さんってイケメンなの?」

「もちろん!」

「へえ。好きなの?」

「え、うんまあ...ファンとして、かな。」

「ふーん。」

「私だってそこら辺の線引きはわきまえてるよ。」

「どうかしらね。」

「そういう母さんはどうなのよ。」

「私?
また近頃帰ってくるって。」

「父さん?」

「そう。」

「なんだ、母さんだって浮かれてるじゃない。」

「別にそんなことないわよ。」

いや大量に食材買い込んでるし...。

今度こそは長続きすることを祈るばかりだ。

「とにかくね。
私の経験上、浮かれすぎるととんだハプニングに見舞われるかもしれないわよ。」

「そうなの?」

「そんなに舞い上がるほどのイケメンに、
女がいないと思う?」

う...。

「モノにするならもっとがめつくいきなさい。」

「別にそんな気は...。」

「今に後悔しても知らないわよ。
あ、これフラグだから。」

なんの...?
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