酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
...。

あ、フラグってこれか...。

とんでもない美人が、佐伯さんと仲良さげに話しているのを朝っぱらから事務所の廊下で目撃してしまった。

女優さんかな。

あー...。

でも、会って数日でがめつくいけは流石に無理だよ...。

まだ...マシだよね。

結構時間経って、本当に好きになっちゃってたら後悔どころじゃなくなっちゃうから。

でも...。

「おはようまつり。」

気づかれた...。

「おはようございます...。」

...近くで見ても、美人で大人な女性って感じ...。

顔小さい...。

美男美女でお似合いだなこの2人...。

まあ、そうだって決まった訳じゃないけど。

「女優をしてます。水瀬美久です。」

「雛形まつりです。よろしくお願いします。」

...現実って厳しい...。

水瀬さんは、礼をして仕事に戻ったようだ。

なんか、楽しく話してたのに水を差しちゃったかな。

「どうした?」

「あ、いえ...。
水瀬さん綺麗だなって...。」

「うん、まあ女優だからね一応。」

「すみません...女優さんに目の前で会うの初めてで。つい見惚れてしまって...。」

「なるほどね...。
初めてじゃそういう風に感じるんだ。」

ん?

なんか気のない言い方...?

てっきり友達とか、もしかしたら恋人なのかもしれないって思ったんだけど...。

「あ、言い忘れてたけど、
あの人俺の姉だよ。」

「え!?お姉さんなんですか!?」

「うん。」

「...すごい、です。」

「似てないかなやっぱ。」

「似てます。すごく。」

「ほんとに?」

「本当です。」

「...あれ、なんかご機嫌だね。
さっきまではしゅんとしてた気がするけど。」

「はい。すごく綺麗な人に会えましたから。」

良かった...。

恋人じゃなくて。
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