酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
なんだかんだ言って、もう父母は寝室でいちゃいちゃしてるだろうし、私はどうしようかな。

ソシャゲでもやるか。

今日は、佐伯さんのおかげで限定コレクションも手に入ったし。

「好きかぁ...。ほんとかな。
一応付き合ってるってことだよね?」

あれは正真正銘告白の...はず。

あー。

思い切ってメッセージとか。

電話かけたい...。

会いたいな...。

はいって返事したときの、子どもみたいに喜ぶ佐伯さんの姿が目に浮かんで...。

ちょっと切なくなってくる。

あんな彼でも、母が言うように有名になっていったら、私よりもずっとかわいい女の子と...。

そんなのいや!

...。

「とりあえず、落ち着かないし今日はもう寝ようかな。...ん?
電話!?」

佐伯さんから!?

「もしもし、まつりです。」

「あ、まだ起きてた。よかった。
構ってほしくて電話したんだ。」

ナイスタイミング!

しかも、電話してきた理由が素直でかわいい...。

「眠くない?」

「はい、大丈夫です。」

「もし寝てて出なくても留守電入れるつもりだったんだ。朝起きたとき、びっくりするでしょ?」

「はい。それはもう...。」

「安心するな。まつりと話してると。
さっきまでちょっと寂しくて、お酒でも飲もうかなって思ってた。」

お酒飲んで酔ってる佐伯さん...。

何を妄想してるんだろうか。

いやまあ正直気になります...。

「またこうやって夜中に電話かけちゃうかもしれないけど、ゆるしてね?」

「はい!大丈夫です!
基本アニメやゲーム三昧で、夜行性なので起きてます!」

「アニメやゲームか...。
楽しい?」

「はい。すごく楽しいです。特に、ずっと前から佐伯さんの演じてる作品が好きで...。」

「うれしい。ありがと。」

う...さっきから声がぁ...//

耳元で聞こえる...の、慣れないよ...。

「でも、あまり夜更かししてると疲れちゃうかもよ?仕事中眠くならない?」

「なりません。なんていったって、佐伯さんのマネージャー任せてもらってますから。」

「ほんと?今日は倒れちゃったから、疲れて具合悪くなっちゃったのかと思って心配したんだよ?」

「違うんです!
それは...その...。急に...。」

「急に...俺に好きって言われたから?」

「は、い...。」

「かわいい。」

「...!」

「普段仕事では、まつりは冷静だから、俺のこと意識してくれてたの改めてわかって嬉しかったんだ。だから...、つい。」

冷静に見えるのかな...。

めちゃくちゃドキドキして、ニヤニヤしてたかもしれないのに...。

「一目惚れしちゃったんだ。
最初会ったとき、なんか小動物みたいに怯えててかわいかった。」

「怯え...てました?」

「うん。涙目で、頬染めて上目遣いでこっちを見てきて...。こっちが早々にノックアウトされちゃった。」

そうなの...?

私だけ瞬殺されたんだとばかり...。

「明日になったらまつりに会えるよね。
楽しみだな。」

「はい、私も、楽しみです...。」

「会いたいな。」

「私も...会いたい、です...。」

「それじゃあ、今日は早めに寝るんだよ。
明日元気で会うためにね。」

「そうします。」

「いい子だね。俺も安心して寝れそう。
おやすみ。」

「おやすみなさい...。」

ピッ...。

...。

「...うぅぅう...///」

やっぱり、

こえがぁ...//

耳元ではつらいよぉー!!!
< 43 / 259 >

この作品をシェア

pagetop