酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
控室まだ電気ついてる。

もう仕事終わりだから帰ってもいいんだろうに...。

もしかして佐伯さん、私を待ってたりする?

まさか...。

「まつり、おつかれ。」

いた...。

「お疲れ様です。
まだ帰られないんですか?」

「うん。まつりを待ってた。」

待ってた...。

私を...?

言葉が頭の中でバウンドしまくってる...。

「すみません、お待たせしてしまって。」

「いいんだよ。待ってるのも楽しいし、
会えたときの喜びがその分倍になるから。」

うぅ...。

泣きそう...。

「隣にすわって、少しだけお話ししよう?」

「はい...。」

本当にまだ、恐れ多いのに...。

「まつりは、この仕事してて大変なときある?」

「特に気にならないです。好きな仕事に巡りあえて幸せだなって思ってます。」

「諜報員の仕事?」

「い、いえ...。マネージャーの仕事です。」

「分かってる。冗談だよ。
まつりのこと、信頼してるから。」

「本当ですか...?ありがとうございます。」

「こちらこそ。側にいていつもサポートしてくれてありがとう。」

私、役に立ててるのかな...?

「でも、困ったことや悩み事あったら、すぐに言ってね。」

「はい。あの、佐伯さんも何かあったら...。」

「うん。まつりに何でも相談しちゃうかもな。頼りにしてるよ。」

うれしいな。

「ちなみに今は困ってることありますか?」

「仕事上では無いよ。
でも、家にいるとき、1人だからちょっとだけ寂しいかな。」

「あの、いつでも電話してくださいね?
すぐ出れると思いますから。」

「んー。どうしよう。
程度は加減しないと、甘えすぎちゃって困らせちゃうかもしれないから...。」

「そんなこと、気にしなくて大丈夫ですよ。」

「ほんと?じゃあ、少しずつ...かたよっていっちゃうかもしれない。困ったらちゃんとストップかけてね。」

「はい。」

「まつりも何かあったら電話して。
何もなくても大歓迎だから。」

「はい!」

そっか...。

佐伯さん、一人暮らしだもんね...。

電話かけてもいいのかな。

そしたら私の方こそかたよっていっちゃって、困らせちゃうかもしれないのに...。
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