酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「おはようございます。佐伯さん。
遅くなってしまってすみません。」

「おはよう。大丈夫だけど、
またユウトと話してたの?」

「はい...でも、なんか、昨日の話の許可が出たから、明日収録するって、自慢してきただけです。」

「そうなんだ...。」

むしろ、そういった心配そうな顔したいの、
私の方なんだけどな...。

「彼、とてもいい子なんだけどね...。
あんまりまつりに近づかれたら、
また嫉妬しちゃうかも...。」

違います、
嫉妬するのは私なんです佐伯さん...!!

「ユウトはまつりのこと...もしかして...。」

「それはないです!」

「そう...?」

「はい。
私のことなんか、しょっちゅう嫌味言ってきますし、すっごく意地悪で...。」

「そっか、でも、やっぱりそれは、
振り向いて欲しいから、なんじゃないかなって...。」

そうなんです。

私じゃなくて「佐伯さん」に!!


...本当のことを言いたい。

本当は佐伯さんの方が好かれてて危険なんですよって。

でも、
そこまではやっぱりモラルに反するから...。

「心配しないでください。
私は、ずっと前から佐伯さん一筋ですから。」

「ありがとう。」

私が、くっつけすぎないようにどうにかするしか...。
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