十二怪談
其の一
これは、ある熱帯夜のお話です。
その出来事が起こったのは二階の寝室。

あなたはなかなか眠れず、寝苦しい夜を送っていました。
すると突然、窓の方から「コツン」と軽い音が響きました。
あなたは「何だろう」とは思ったものの、あまり気にせず、また寝ようとすると、また「コツン」と。
そして、「コツン」、「コツン」「コツン」「コツン」と何度も何度もその音は響き渡り、さすがに気になったあなたは、原因をさぐる事にしました。
そしてカーテンを開け、窓を見てみると、下から小さな白い物が飛んで来て、それが窓に当たり、「コツン」という音を出していた事がわかりました。
そこまで分かったあなたが次にどうするかというと、
今度はその窓に下に行き、白い物を投げている何かを見に行こうというのです。
そして、部屋を出て階段を降りている途中、どこからか「チュウチュウ」「キイキイキイ」という鳴き声が聞こえて来たのです。
そして、それと同時にこんな声も聞こえて来ました。
「~~の様に強く、な~れ!」
さらに歩を進めていくと、段々音は大きくなっていきます。
そしてついに窓の下辺りに到着しました。
すると、そこで(うごめ)いている「何か」の影を目撃します。
恐る恐るスマホのライトで照らすと、そこには、何百、何千というネズミの大群と四肢が無く、歯をほとんど抜かれて、尚笑顔で笑っている少年が見て取れました。
思わず声を上げてしまうと、その何千というネズミの大群が一斉に目を光らせ、こっちを向きました。
それと同時に、耳元でこう(ささや)かれました

【君は、変われるかな?】
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