没落姫の溺愛婚②~双子の旦那様に愛されすぎて私、困ってます~
(いやぁぁ……っ!?)
ちょっと、待ってぇっ!!
そこに誰かいたの!?
というか、いつからなの……っ!?
「あ、お久しぶりです、二の兄上」
声を聞いただけで、芳哉も彬親もわかったのだろう。
あ、と声を上げ、互いに顔を見合せた。
そして、芳哉は声にもならない声で悲鳴を上げて震える彩希を見て、表情を和らげる。
彩希の頭を撫で回し、御簾の向こうへと言葉を返していた。
その隣で彩希を膝の上に乗っけている彬親は、「そんな姿も可愛い」と、そのまま硬直してしまった体を優しくあやしてくれている。
たまに、ふと思い出したように、無防備な彩希の頬や額に、触れるだけの優しい口づけをくれる。
柔らかくて、ほんのり温かい感触が嬉しくて。
思わず口元に笑みを浮かべていた。
本当に至れり尽くせり、優しく甘い言葉つきで愛されてる最中だけれど。
でも、いや、本当に待って!
今はもう、それどころじゃないんじゃないっ!?
「今日は来ないかと思っていたよ、二人共」
「いや、それは二の兄上も同じでしょうに。
むしろ、兄上こそ来ないかと思ってましたからね。
俺達以上に長い期間引きこもっているのは、どこのどなたですか?」
「………はい、ごもっともです」
どこか呆れたように問い返す彬親に、御簾の向こうの人物は、少ししょんぼりとした声で答えた。
ちょっと、待ってぇっ!!
そこに誰かいたの!?
というか、いつからなの……っ!?
「あ、お久しぶりです、二の兄上」
声を聞いただけで、芳哉も彬親もわかったのだろう。
あ、と声を上げ、互いに顔を見合せた。
そして、芳哉は声にもならない声で悲鳴を上げて震える彩希を見て、表情を和らげる。
彩希の頭を撫で回し、御簾の向こうへと言葉を返していた。
その隣で彩希を膝の上に乗っけている彬親は、「そんな姿も可愛い」と、そのまま硬直してしまった体を優しくあやしてくれている。
たまに、ふと思い出したように、無防備な彩希の頬や額に、触れるだけの優しい口づけをくれる。
柔らかくて、ほんのり温かい感触が嬉しくて。
思わず口元に笑みを浮かべていた。
本当に至れり尽くせり、優しく甘い言葉つきで愛されてる最中だけれど。
でも、いや、本当に待って!
今はもう、それどころじゃないんじゃないっ!?
「今日は来ないかと思っていたよ、二人共」
「いや、それは二の兄上も同じでしょうに。
むしろ、兄上こそ来ないかと思ってましたからね。
俺達以上に長い期間引きこもっているのは、どこのどなたですか?」
「………はい、ごもっともです」
どこか呆れたように問い返す彬親に、御簾の向こうの人物は、少ししょんぼりとした声で答えた。