キミが教えてくれたこと(改)
話したい。
なのに…
「また雨だー…」
自分の部屋で宿題をしている最中ポツポツと水滴の音が聞こえ、窓の外を見ると空からは雨粒が降り注いでいた。
「さっきまで降ってなかったから明日は大丈夫かもって思ってたのに…」
自室にあるテレビを付け、チャンネルを変えながら天気予報を見る。
《ーーーにかけて、太平洋高気圧が本州付近に張り出すでしょう。ただ、東日本を中心に大気の状態が不安定になる見込みです。晴れ間が出る所がありますが、午後を中心に所々でにわか雨や雷雨があるでしょう。東海や北陸、関東では、予想よりも雨雲が発達した場合、大雨になる恐れがありーーー》
そこまで聞いて私はブチっとテレビの電源を落としベッドにダイブした。
「もー、また校舎裏に行けない…」
普通に教室で話しかければいいだけなんだけど、最近では机の周りにクラスメイトが集まって来てくれる事が多く晴人も休憩時間には他のクラスに行っているか教室の外で大勢といることが多い。
なかなか思うように行かず、あの秘密の場所で話そうにも天気が邪魔をしている。
「連絡先…聞いておけばよかった」
いつも当たり前に側にいて、話したい時に二人きりになれていたから学校の外でも繋がるツールを持っていることに気づかなかった自分を恨んだ。
「今何してるのかな…」
いつも話を聞いてもらってばかりで学校以外での晴人を私は知らない。
「…よし!」
勢いよくベッドから起き、私は一つの決心をする。
「今度晴れた日に校舎裏に行けたら、その時は晴人の連絡先を聞く!」
えいえいおー!と一人きりの部屋で右手を振り上げながらまた机に向かい宿題を進めた。
早く、早く。
お天道様、どうか晴れにしてください。