キミが教えてくれたこと(改)
「元気そうで良かったね、天野君。大型トラックに跳ねられて3ヶ月間も意識が無かったって嘘みたい」
「お医者さんも目覚めた時はびっくりしてたって言ってよね〜」
私が引っ越して来た数日前、晴人はスリップした大型トラックに跳ねられて3ヶ月間も意識が戻らない状態だった。
特に外傷は無いにも関わらず目は覚めず、お医者様も今は手の施しよう無いと言い、晴人のご家族はかなり憔悴していたそうだ。
「検査結果が良ければ夏休み明けから登校できるみたいだし、楽しみだね!」
目覚めてからは眠っていた3ヶ月間が嘘のように晴人はみるみるうちに元気になり、今は寝たきりだった体もリハビリで以前のように動かせるようになっていた。
「じゃあまた学校でね!」
私達は駅に着くとそれぞれ自分達の家路についた。
私は家までの帰り道、晴人との不思議な体験を思い返し、考える度に晴人と出会えたのは運命だったと感じる。
見上げると暗くなって来た空に無数の星が輝いている。
晴人は私にたくさんの事を教えてくれたよね。
学校の楽しさ。
友達の大切さ。
前を向いて歩く強さ。
踏み出す勇気。
そして…ーー
私は微笑み、自宅に到着すると「ただいま!」と元気よくドアを開けた。